事業紹介事業紹介

研究開発


 エーピーアイコーポレーションは、これまで培ってきた技術力を土台に提案型ビジネスを展開中です。その1つとして、コスト競争力のある化合物の製造ルートをお客様に提案しています。これまでに、従来法に比べ反応工程数を大幅に減らした新規合成法に取り組み、商用化に成功してきました。コア技術の一つであるバイオ技術を用い、還元反応、加水分解反応、酸化反応などの特異的反応を積極的にプロセス開発に取り入れ、製造ルートの効率化を図っています。
 バッチプロセスの解析においてはシミュレーションツール(流動解析シミュレーション(CFD:Computational Fluid Dynamicsなど)を積極的に用いることにより、開発期間の大幅な短縮とスケールアップ時のトラブルの未然防止に努めています。
 また重厚長大な設備を必要とせず、フレキシビリティの高いフロー合成技術も実装化に向けて研究を行っております。

バイオ技術

○技術概要
 弊社では生体触媒(微生物や酵素)を活用したバイオ技術開発を得意としており、コスト競争力のあるプロセスを確立してきました。

Route design、Enzyme screening、Enzyme engineering、process optimization

①Route design
 有機合成反応だけでなく、酵素反応を組み合わせた多数のルートを考案するノウハウを持っており、その中から最適なルートを提案することが可能です。

②Enzyme screening
 豊富な酵素ライブラリーや微生物ライブラリーを活用して、所望の反応を触媒する酵素をスクリーニングすることが可能です。

③Enzyme engineering
 分子モデリングによる酵素改変箇所の絞り込みやハイスループットな評価系を構築することで、短期間に酵素活性・選択性の効率的な改良が可能です。

④Process optimization
 基質や酵素/生体触媒の性質に合わせた最適なプロセス設計の構築・スケールアップが可能です。プロセス設計の段階で得られた課題はEnzyme engineeringにフィードバックし、反応条件下での酵素安定性や更なる活性向上の改良を行い、より生産効率・コストパフォーマンスの高いプロセスへの最適化が可能です。



○技術適用例

①酵素探索・改良技術
 医薬中間体の一つである(1R,2S)-Ethyl 1-amino-2- vinylcyclopropanecarboxylate hemisulfate (VCPA)の製造ルート確立において、ラセミ体の基質から所望のモノエステル体のみを取得可能なエステラーゼを見い出しました。

Basic concept
basic concept

 ここで得られたエステラーゼに対して、基質と酵素活性中心の分子モデルを作成し、活性中心付近の4カ所に対してアミノ酸置換された酵素のスクリーニングを実施しました。
 その結果、4カ所の変異導入により、加水分解反応の光学選択性を高めるだけでなく、β位の構造の差異も認識し、4種の異性体のうち、所望の1種を取得可能な改良型酵素を開発しました。

野生型酵素、改良酵素


②水酸化アミノ酸合成技術
 弊社の保有する水酸化酵素ライブラリーを用いることにより、環状イミノ酸、塩基性アミノ酸、脂肪族アミノ酸といったアミノ酸に対して位置・立体特異的に水酸基を導入することが可能です。

Our proprietary amino acid hydropxylase library


○バイオラボ設備

反応・技術 バイオラボは、遺伝子組換え微生物を活用した各種生体触媒を用いた反応を検討する設備を取り揃えており、スケールアップに伴う課題を抽出し、対策を立案することで、堅牢な工業生産の実現をサポートしております。遺伝子組換え実験(P1、LS1)が可能です。
保有設備 培養設備 ジャーファーメンター(30L、3L、1L)、振盪培養機、恒温インキュベーター、安全キャビネット、オートクレーブ滅菌器
精製装置 UF/MF装置(15mL~30Lスケール)、超音波破砕機、高圧ホモジナイザー


フロー合成技術

医薬原薬・医薬中間体の連続フロー合成技術は、バッチ式製造と比較して、反応の精密制御、危険又は毒性の高い物質のハンドリングの容易さ、高い生産性等、多くのメリット・特徴があります。弊社においても酸化反応、還元反応、固体触媒反応等フロー合成技術の特徴を活かした医薬原薬・医薬中間体の連続合成化に取り組んでおります。

フローリアクター一例(参考)
有機合成ラボ設備

ジャケット反応装置と相似形撹拌翼を使用することで、より実機製造に近づけた実験を行っています。撹拌翼形状が反応成績に影響した例もあり、実機製造の確実な立ち上げを目指しています。20L反応容器および三枚後退翼を備えたキロラボにより、大スケールのサンプル合成にも対応致します。

反応・技術 長年の工業化検討技術に基づき、独自プロセスによる医薬原薬・医薬中間体の開発や製造、受託プロセスのスケールアップ課題や対策をご提案し、早期パイロット製造立ち上げを実現致します。
ジャケット反応容器+実機相似形撹拌翼、シミュレーションによる反応速度/流動解析、反応熱量測定/解析等を活用した、実機操作を想定した実験を行っています。
取扱い可能物質(一例) 禁水性物質:n-BuLi、sec-BuLi、60%NaH等
消防法危険物第5類:有機過酸化物、NaN3、塩酸ヒドロキシルアミン等
その他:五硫化二リン、無機CN化合物、ジボラン、臭素等
保有設備 反応器 ジャケット反応容器(50mL~9L/ガラス)、加圧反応容器(10mL~2L/SUS)
アンカー翼、三枚後退翼、フルゾーン翼、他
合成装置 自動/半自動有機合成装置、マイクロフローリアクター、超高速フラッシュ自動精製装置
濾過機
(遠心分離機)
小型遠心機(φ100mm/SUS)
粉砕機 ピンミル、カッターミル、ハンマーミル、ジェットミル
分析装置 HPLC(32台/UV/PDA/RI/CAD)、GC(12台/FID/TCD)、KF(5台/電量滴定/容量滴定)、LC/MS、GC/MS、イオンクロマトグラフィー、NMR、React-IR、FBRM、PVM、DSC/TGA、小型反応熱量計、光学/電子顕微鏡
保有設備
(キロラボ)
反応器 ジャケット反応容器(20L/ガラス)
三枚後退翼
操作温度:-65℃~180℃
UTT:熱媒体(-80~220℃)
濾過機
(加圧濾過機)
10L/テフロンライニング
ロータリーエバポレーター 10L/ガラス
精留塔 オルダーショウ(10段/15段/25段)、リボイラー(15L/ガラス)


バッチ反応の解析事例

 各種化学工学式に基づくシミュレーション及び反応解析により検討期間の短縮並びにスケールアップ時のトラブルを未然に防ぎます。

①事例1~反応速度解析~
 一般的に反応で目的物のみが単一で得られることは少なく、競争反応、逐次反応、逆反応等により複雑な反応組成となることがあります。下記の例では、HPLC及びReact-IRTMを駆使して反応の挙動を解析し、反応解析ソフトを用いて想定される素反応から反応速度を算出しました。また各素反応の反応速度の大きさから、どの反応が進行しやすいかが分かります。これらの結果から、最適な滴下方法や温度の考察を行い、目的物の収率を最大化することが可能になりました。






②事例2~多変量解析~
 反応条件の最適化においては、温度、助剤の種類・等量、溶媒、pH等、様々な因子が複雑に反応成績に関与します。各影響因子を一つずつ最適化する古典的手法では、膨大な実験点数が必要であり、なおかつ真の最適値に到達しない可能性が考えられます。複数の変数に関するデータをもとに、これらの変数間の相互関連を分析する統計的技法が多変量解析です。下記の例では不純物生成量に対する多変量解析により、各因子の寄与度合いを数値化し、少ない実験点数で最適な条件を選定しました。これらを把握することにより、反応の重要因子の把握に繋がり、スケールアップ時に注意すべきポイントが理解できます。


③事例3~流動解析~
 バッチ反応では撹拌の良し悪しにより反応成績への影響があるため、撹拌が効きそうな反応に対しては事前に評価を行います。本事例は、その中でも反応条件としてありがちな液-液2相系のスケールアップ時の撹拌を評価したものです。液-液系の反応においては、相間物質移動が反応の律速となる為、十分な動力及び混合性が得られないと、スケールアップ時に予期せぬ結果になる可能性があります。スケールアップ時に使用する可能性のある設備での流動を解析し、選定された設備の妥当性を事前評価しました。本事例ではアンカー翼と三枚後退翼で混合性を比較したものであり、気液界面である薄い灰色より下部の赤と青が油層と水層をそれぞれ示しており、それ以外の色では油と水が混合されている箇所になります。混合性が良いのは三枚後退翼であることが理解でき、ラボの性能と比較することにより選定された反応容器の妥当性が予測できます。

三枚後退翼
三枚後退翼
アンカー翼
アンカー翼

水層100%

油層100%



論文
  • 企業研究者たちの感動の瞬間(化学同人) 「光学活性非天然アミノ酸の独自プロセスの開発」 上原久俊 出来島康方201ページ2017年
  • Org. Process Res. Dev. 2016, 20, 867−877 Masahiko Seki, [A New Catalytic System for Ru-Catalyzed C–H Arylation Reactions and Its Application in the Practical Syntheses of Pharmaceutical Agents]
  • ACS Catal. 2011, 1, 607–610, Masahiko Seki, [Highly Efficient Catalytic System for C–H Activation: A Practical Approach to Angiotensin II Receptor Blockers]
  • ACS Catal. 2014, 4, 4047−4050, Masahiko Seki, [Efficient Catalytic System for Ru-Catalyzed C–H Arylation and Application to a Practical Synthesis of a Pharmaceutical]
  • J Org Chem. 2011 Dec 16;76(24):10198-206,Masahiko Seki, Masaki Nagahama, [Synthesis of Angiotensin II Receptor Blockers by Means of a Catalytic System for C–H Activation]
  • Synthesis 2014, 46, 3249–3255, Masahiko Seki, [Novel and Efficient Debenzylation of N-Benzyltetrazole Derivatives with the Rosenmund Catalyst]
  • Synthesis 2015, 47, 2985–2990, Masahiko Seki, [2,4-Dimethoxybenzyl Group for the Protection of Tetrazole: An Efficient Synthesis of Olmesartan Medoxomil through C–H Arylation]
  • Synthesis 2015, 47, 1423–1435, Masahiko Seki, [Studies on the Cocatalyst in Ruthenium-Catalyzed C–H Arylation]
  • ACS Symposium Book Series, 2009, Chapter 22, 357-374, Mari Hara Yasuda ,Makoto Ueda, Kazuya Okano, Hisaaki Mihara, Nobuyoshi Esaki, [Enzymatic Synthesis of Unnatural Amino Acids]
  • Biotechnol Lett 2013, 35, 685–688, Toyokazu Yoshida, Koichi Mitsukura, Takuya Mizutani, Ryo Nakashima, Yasuyo Shimizu, Hiroshi Kawabata, Toru Nagasawa [Enantioselective synthesis of (S)-2-cyano-2-methylpentanoic acid by nitrilase]
  • Appl Microbiol Biotechnol. 2015 Jun;99(12):5045-54, Yasushi Tani, Ryoma Miyake, Ryoichi Yukami, Yasumasa Dekishima, Hideyasu China, Shigeki Saito, Hiroshi Kawabata, Hisaaki Mihara, [Functional expression of L-lysine αunctiona from Scomber japonicus in Escherichia coli for one-pot synthesis of L-pipecolic acid from DL-lysine. ]
  • Appl Environ Microbiol. 2016 Jan 22;82(7):2070-2077, Makoto Hibi, Ryosuke Mori, Ryoma Miyake, Hiroshi Kawabata, Shoko Kozono, Satomi Takahashi, Jun Ogawa, [Novel Enzyme Family Found in Filamentous Fungi Catalyzing trans-4-Hydroxylation of L-Pipecolic Acid ]
  • J Biosci Bioeng. 2019 Feb;127(2):145-149, Kohsuke Honda, Tomohiro Ono, Kenji Okano, Ryoma Miyake, Yasumasa Dekishima, Hiroshi Kawabata, [Expression of engineered carbonyl reductase from Ogataea minuta in Rhodococcus opacus and its application to whole-cell bioconversion in anhydrous solvents]
  • J Biosci Bioeng. 2017 Jun;123(6):673-678, Kohsuke Honda, Mizuha Inoue, Tomohiro Ono, Kenji Okano, Yasumasa Dekishima, Hiroshi Kawabata, [Improvement of operational stability of Ogataea minuta carbonyl reductase for chiral alcohol production]

産官学等の共同研究への取り組み

当社は開発型企業として、産官学連携の共同研究にも積極的に取り組んでおります。その際には、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」(文部科学大臣決定)や、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(文部科学大臣決定)等に基づく社内規程を定め、競争的資金等の公的研究費の不正使用防止や、研究活動における不正行為防止を図っています。

【公的研究費および研究不正防止の運用・管理体制】

最高管理責任者
統括管理責任者
コンプライアンス推進責任者
コンプライアンス推進副責任者

代表取締役社長
研究部門の執行役員
研究部門の副部門長
研究部門の所属長


【通報窓口】

公的研究費や研究活動における不正行為に関するお問い合わせ、相談、告発等は下記窓口にご連絡下さい。
なお、告発者は社内規程により、適切に保護されます。


技術センター

〒101-0047 東京都千代田区内神田一丁目13番4号
TEL:03-5217-7184 FAX:03-5217-7173